東北のキリスト教伝道拠点としての教会

仙台富沢教会

日本ナザレン教団|宮城県仙台市太白区|2009年竣工

仙台富沢教会
STORY

設計のはじまり

東日本大震災の救援活動に貢献

西日本に拠点を持つ教団が、東北地方へ信仰を広めるための拠点として2009年に仙台市郊外に建築し、I牧師が遣わされた。

教会は、コンパクトにして最大の空間を確保しようと計画したため、外観からの想像以上に内部空間は広い。設備は自然エネルギーを可能な限り使おうと、太陽熱利用のOMソーラーによる空調と、お湯取りを設けている。

竣工後に仙台地方を襲った東日本大震災では、教会は地域の避難所にも用いられ、ソーラーによる給湯設備があったおかげで、被災した方々にお風呂も提供した。小さな教会が地域への宣教だけでなく、地域に大きく役立つことができた。

CONCEPT

設計のことば

昭和期のキリスト教に大きな功績を挙げた日本ナザレン教団が、宣教100周年を記念し東北の開拓伝道拠点としての教会を計画した。場所は、仙台のベッドタウンとして近年発展を続ける太白区、戸建て住宅や高層マンションが建ち並ぶ住宅地の一角にある。

建物には、ここに教会ありと主張する十字架を高く掲げたシンメトリーのファサードを設けた。エントランスから礼拝堂は一直線で結ばれ、初めて教会を訪れる人にとっても中の様子がわかるよう開放的にした。

礼拝堂は、トップライトから光の落ちる聖壇を中心として放射線状に会衆席(50席)を配置し、参加者の一体感を図っている。クリスマスなど人数の多い集会には、隣接する集会室を繋げると70人の礼拝堂に拡幅できる。平日には、地域住民のための交流センター的利用も考えた幅広い活動が可能な施設となっている。

2011年の東日本大震災時には、近隣の避難場所として多くの人々に利用された。2階には牧師館(牧師住宅)が併設されている。

文章:田淵諭『光と祈りの礼拝堂』(教文館、2023)より

計画概要

所在地
宮城県仙台市太白区
教派
日本ナザレン教団
敷地面積
326㎡
建築面積
148㎡
延床面積
229㎡
構造
木造
階数
地上2階
設計期間
2008年1月–2009年1月
施工期間
2009年2月–2009年9月

設計クレジット

建築設計
大岡山建築設計研究所
担当
田淵諭/江川竜平/国府田文雄
構造設計
斎藤欽弥(団設計同人)
設備設計
小林好伸(鼎建築設備計画)
電気設備
中山明彦(アヴァンセ)
照明設計
大岡山建築設計研究所
音響設計
森本浪花音響計画
家具設計
大岡山建築設計研究所
建築施工
八重樫工務店
家具製作
アダル