CONCEPT
設計のことば
緑の多い地域で、敷地内にも区の指定を受けた大木が何本もあり、これらをできる限り残す計画を立ててスタートした。
配置計画では、奧にあった礼拝堂を全体のシンボルとして道路側に設け、施設の顔とした。礼拝堂は8m×9.5m、高さ5.8–8m。南向きのバシリカ式とし、自然光を感じながら礼拝が行えるよう東側上がりの片流れ屋根とした。この東側の壁にはハイサイドライトを設け、そこに架けた構造梁を通して礼拝空間に時の影を落としてくれる。
礼拝堂は旧礼拝堂の雰囲気を残すため、焦げ茶色と漆喰調の白色とで清楚な雰囲気を確保している。聖壇正面の十字架にはガラスをはめ込み、聖壇部分に聖なる空間を醸し出すと同時に、道行く人に教会の存在を静かに伝えている。クリスマス等大人数の礼拝には、礼拝堂後部会議室の扉を開け広げることもできる。また、2階幼稚園ホールの引き戸を開け放つことで礼拝堂と繋ぐこともできる。
礼拝堂上部の屋根は一部くり抜き、旧会堂の鐘を組み込んでいる。建物は南北に連なる礼拝堂・幼稚園ホール・牧師館と、東西に延びた幼稚園舎が十字架形となるよう配置され、教会とその付属幼稚園であることを視覚的に造形した。南東に大きな園庭、北西に小さな園庭を配置し、幼稚園児の多様な遊び場を設けた。建物は鉄骨造で2階にはホールと牧師館を併設している。
文章:田淵諭『光と祈りの礼拝堂』(教文館、2023)より