街角に祈りの光を点す

仙台東一番丁教会

日本キリスト教団|宮城県仙台市青葉区|2002年竣工

仙台東一番丁教会
STORY

設計のはじまり

不思議な3つの研究室

環境デザイン学科に、宗教建築を専門とする3人の教員の研究室が並んでいた。2023年3月私と同じく定年を迎えた禅の日本庭園設計を専門とする枡野俊明教授の研究室、その隣の研究室が神道をモチーフに個性豊かな建築設計を展開していた故毛綱毅曠教授、その隣がキリスト教の教会建築を専門とする私の研究室である。他大学から見たらなんとも不思議な研究室構成に違いない。

さて、仙台東一番丁教会は、この毛綱教授からの「教会のコンペがあるよ」というメールから始まった。私がメールを受けたのは、ル・コルビュジエ設計のラ・トゥーレット修道院に宿泊中。研究休暇ですっかりル・コルビュジエ空間に浸っていた私は、急遽チケットを取ってコンペ参加に一時帰国することになった。

それにしても今まで経験したことのない50社を超えるコンペで勝てたのは奇蹟と言っても過言ではない。

CONCEPT

設計のことば

七夕で有名な仙台東一番丁商店街通りの南端、東北大学北門前の角地に建つプロテスタントの教会である。

この教会は、仙台の地で、東北地方の各教区や教会を統括する中心教会として長年その任務に当たってきた。創立120年を記念して建て替えられた。公開コンペにより集まった60数案の中から選ばれた。

教会施設は「切り妻屋根を持つ礼拝堂ブロック」「陸屋根を持ったガラスボックスの小礼拝堂と祈祷室のブロック」「片流れ屋根を持つ集会室ブロック」と、「これらの諸施設を繋ぎ、教会の諸機能を補完するためのサービスブロック」の4つのブロックから構成されている。教会へは、東一番丁商店街通りから屏風状の壁と、その間のスリットから漏れる光によってエントランスに至ることができる。

礼拝堂は、11m×15m、高さ12mの大空間である。上部は手を合わせ祈る形をイメージし、集成材を組み構造体として架け構造体として屋根を支えている。礼拝堂内はハイサイドライト、棟部分のトップライト、聖壇脇のサイドスリットにより、光に包まれた空間となっている。

空調は環境問題を考慮し、OMソーラーで礼拝堂他1階部分の空調をまかなっている。角地に配置されている小礼拝堂のガラスボックスはランドマークとして、街角を照らす照明としても機能する。

外壁は、古くからこの地に佇んできた教会の時の流れをアースカラーのタイル貼りで表し、周辺の緑との調和を考慮した。

文章:田淵諭『光と祈りの礼拝堂』(教文館、2023)より

計画概要

所在地
宮城県仙台市青葉区
教派
日本キリスト教団
敷地面積
1,343㎡
建築面積
558㎡
延床面積
782㎡
構造
RC造+鉄骨造+木造
階数
地下1階地上2階
設計期間
1999年9月–2001年4月
施工期間
2001年5月–2002年3月

設計クレジット

建築設計
大岡山建築設計研究所
担当
田淵諭/佐藤みどり/江川竜平
構造設計
斎藤欽弥(団設計同人)
設備設計
小林好伸(鼎建築設備計画)
電気設備
中山明彦(アヴァンセ)
照明設計
大岡山建築設計研究所
音響設計
永田音響設計
家具設計
大岡山建築設計研究所
ステンドグラス
橋村元弘/中野みどり(アトリエハシムラ)
建築施工
竹中工務店
家具製作
アダル