天に祈りの届く教会を

大宮教会

日本キリスト教団|埼玉県さいたま市大宮区|2017年竣工

礼拝堂。壁のスリットから、色ガラスを通した光が射し込む
礼拝堂。壁のスリットから、色ガラスを通した光が射し込む
STORY

設計のはじまり

八方塞がり

大宮駅周辺の再開発はめざましく、ダイナミックに市が発展を遂げつつある。そんな中、事もあろうに旧教会が道路拡幅計画に掛かってしまい、建て替えざるを得なくなった。計画は、拡幅する道路をよけて教会の一部を建築し、道路用地を提供後、再度残りを工事し一体化するものであった。

大宮駅に近く、将来は市の中心地となるため、周囲は高層建築に建て替わりつつあった。周りをビルに囲まれ、建築的にどう配慮すべきか悩んでいた時、「八方塞がりでも、天(神)との交信には上が開いていれば大丈夫ですよ」とH牧師がひとこと。このウイットに富んだ言葉が気持ちを楽にしてくれた。

CONCEPT

設計のことば

大宮駅周辺の再開発により、旧教会堂の前面道路が礼拝堂の中央まで拡幅されることになった。そこで第1期工事として、新礼拝堂・ギャラリー・事務室・集会室・キッチン・会議室・教団関東教区事務所等を旧教会堂の裏に新築し、引っ越した後、旧教会堂を解体し道路部分を提供する。更に第2期工事として、敷地内にエントランス・小礼拝堂・多目的室・地下の庭園を増築すると同時に、敷地の一部を道路に提供することになった。

新礼拝堂は2階に位置し、13m×14mの四角形で対角線上に聖壇を持つ集中式で160席の礼拝堂である。聖壇の左右には壁に4本ずつのスリット窓があり、「憩いの芝生と聖霊の働き」をイメージしたステンドグラスから朝日と夕日が入り込む。また、天井からは聖霊の光がトップライトを通して降り注ぐ空間になっている。3階ギャラリーはパイプオルガンと聖歌隊席となっている。

外壁はコンクリート化粧打ち放しの基壇の上に、クリーム系の特注タイルを施している。近隣の高層マンションの谷間にある教会だが、外壁の色を淡くすることによって近隣マンションの暗色を背景に浮かび上がり、教会堂は3つの鐘と天に聳える十字架と共に、高らかにキリストの福音を主張している。

文章:田淵諭『光と祈りの礼拝堂』(教文館、2023)より

SKETCH & MODEL

スケッチと模型

計画概要

所在地
埼玉県さいたま市大宮区
教派
日本キリスト教団
敷地面積
659㎡
建築面積
391㎡
延床面積
1,253㎡
構造
RC造+鉄骨造
階数
地下1階地上3階
設計期間
2013年5月–2014年8月
施工期間
2014年9月–2016年5月

設計クレジット

建築設計
大岡山建築設計研究所
担当
田淵諭/国府田文雄
構造設計
小西泰孝建築構造設計
設備設計
テーテンス事務所
照明設計
内原智史デザイン事務所
音響設計
浪花千葉音響計画
家具設計
大岡山建築設計研究所
ステンドグラス
三浦啓子/JikuArtCreation
建築施工
松井建設
家具製作
セイアローズ