外部仕上げが内部まで繋がるシームレスな礼拝堂

大久保めぐみ教会

日本イエス・キリスト教団|兵庫県明石市|2005年竣工

大久保めぐみ教会
STORY

設計のはじまり

新幹線内のビール

私の設計では、日本で一番西に位置する教会である。指名コンペに際しては、「遠方であるが、選定されたら設計してもらえるか」との打診が最初にあった。このお尋ねには、すぐ快諾させていただいた。

教会員のくつろぐベンチは、大学の友人で造形作家の海老塚耕一氏にお願いしたが、これは以降幾つかの教会で作品を作っていただくきっかけになった。関わった方々、教会員と共に、温もりを感じる小さな教会ができたことは幸せなことであった。

当時は仕事も重なっていて忙しかったが、教会との打ち合わせや現場定例会議は楽しい日帰りの旅でもあった。帰りの新幹線で飲むビールの味は格別だった。

CONCEPT

設計のことば

この教会は2002年に指名コンペが行われ、当選案として実施設計に移され2005年7月に献堂を迎えた教会である。

東西に長い敷地の中に、平屋で100人収容の礼拝堂と60人収容の集会室、又この2施設に挟まれてオープンデッキ状の中庭・牧師室・事務室・キッチン・トイレが配置されている。

東の開放的なエントランス脇には事務室、牧師室が並び、東のエントランスから西に配置した集会室までが一直線の開放的なストリートラウンジで繋がっている。

外部は押し出し成形セメント板とガルバリウム折版とでシンプルに構成されている。この外部の外壁材は内部のストリートギャラリーの内壁まで繋がり、人々は外部の壁伝いに自然と教会堂内部まで導かれる。

教会堂内部は外部の無機質な壁を引き込みながら、天井と壁とにふんだんに木を使いこの素材を対比させることで、キリストの愛と信仰の未来を象徴させている。

礼拝堂内部は、片流れの大屋根を張弦梁で軽く支えている。聖壇正面は御言葉の発せられるところの壁の素材と質感を変え、上部からはキリストの栄光を表すトップライトを設けている。礼拝堂後方からは高窓を設け、北からの柔らかな光が礼拝堂全体を包み込んでいる。

ストリートラウンジには造形作家海老塚耕一氏によるベンチを置いた。中庭は集会室の利用方法を広げることに役立っている。

文章:田淵諭『光と祈りの礼拝堂』(教文館、2023)より

計画概要

所在地
兵庫県明石市
教派
日本イエス・キリスト教団
敷地面積
913㎡
建築面積
302㎡
延床面積
297㎡
構造
木造
階数
1階
設計期間
2002年9月–2004年8月
施工期間
2004年9月–2005年6月

設計クレジット

建築設計
大岡山建築設計研究所
担当
田淵諭/佐藤みどり
構造設計
斎藤欽弥(団設計同人)
設備設計
小林好伸(鼎建築設備計画)
電気設備
中山明彦(アヴァンセ)
照明設計
大岡山建築設計研究所
家具設計
大岡山建築設計研究所/既製品
建築施工
まこと建設
家具製作
ベンチ:海老塚耕一/聖壇家具:アダル