地下礼拝堂に光を採り込む

自由が丘教会

日本キリスト教団|東京都世田谷区|1992年竣工

自由が丘教会
STORY

設計のはじまり

礼拝学を学ぶきっかけに

建て替え前の教会が事務所のすぐ近所だったこともあり、ご相談いただいたのが始まり。その時には教会移転が決まっていて、新たな土地探しにも何回か同行させていただいた。そうして決まったのが、現在の土地である。

奥行きの長い土地であり、北側への日影も考慮した建築にするため、地下も有効に利用することを考えた。

礼拝堂のあり方については、I牧師が神学を反映させて視覚化することに熱心であった。牧師が神学に詳しいことは、考えれば当たり前のことだが、このことをきっかけに教会建築の設計をする上では実践神学や礼拝学を学ばなくてはならないと痛感した。礼拝学を深く学ぶきっかけをつくってくれた教会である。

CONCEPT

設計のことば

50周年を記念して自由が丘からこの地に土地を移し、教会及び牧師館を併せ持って新築された小さな教会である。敷地は間口約8m×奥行き約22mの細長い土地である。階構成は地下1階、1階、2階が教会部分からなり、3階、4階は牧師用住宅となっている。今回はこの地下空間にどのような礼拝堂を造り、どのような方法で、時の流れを感じさせる光を採り入れるかを考えた。

建物の形をできるだけシンプルにデザインし、建物の色もできる限り抑えることに心掛けた。外観はコンクリート化粧打ち放し、内部仕上げにもコンクリート化粧打ち放し仕上げを多用し、素材が持つそのものの特質を大切に計画した。

エントランスを入り、正面にギャラリーから礼拝堂全体を見渡すことができる。エントランス脇の階段を下りると、地下を切り取った壁に地上から光が射し込み、この光に導かれるように自然に地下の会堂に入ることとなる。

礼拝堂は、7m×11m×8mで3層吹き抜けの白い空間となっている。この空間に東側壁面からは、ガラスブロックを通して朝日が入り込み西側壁面を照らす。正面の南側壁面からは、高さ8mのところから、ハイサイドの窓ガラスを通して会堂内に光が投げ込まれ光の溢れる空間に設えている。堂内の壁面は押し出し成形セメント板を使ったが、各所からの光にひだを与え、この空間が、狭いながらも深みのあるデザインとなった。この空間に光が時々刻々変化を描くことによって、この会堂に時の流れと永遠性を与えられないかと考えた。

文章:田淵諭『光と祈りの礼拝堂』(教文館、2023)より

計画概要

所在地
東京都世田谷区
教派
日本キリスト教団
敷地面積
181㎡
建築面積
108㎡
延床面積
361㎡
構造
RC造
階数
地下1階地上4階
設計期間
1990年5月–1991年11月
施工期間
1991年12月–1992年11月

設計クレジット

建築設計
大岡山建築設計研究所
担当
田淵諭/山口京子
構造設計
TAK
設備設計
内藤設備
電気設備
鶴岡設備
照明設計
大岡山建築設計研究所
音響設計
大岡山建築設計研究所
家具設計
大岡山建築設計研究所
建築施工
大明建設
家具製作
中村工芸所