CONCEPT
設計のことば
50周年を記念して自由が丘からこの地に土地を移し、教会及び牧師館を併せ持って新築された小さな教会である。敷地は間口約8m×奥行き約22mの細長い土地である。階構成は地下1階、1階、2階が教会部分からなり、3階、4階は牧師用住宅となっている。今回はこの地下空間にどのような礼拝堂を造り、どのような方法で、時の流れを感じさせる光を採り入れるかを考えた。
建物の形をできるだけシンプルにデザインし、建物の色もできる限り抑えることに心掛けた。外観はコンクリート化粧打ち放し、内部仕上げにもコンクリート化粧打ち放し仕上げを多用し、素材が持つそのものの特質を大切に計画した。
エントランスを入り、正面にギャラリーから礼拝堂全体を見渡すことができる。エントランス脇の階段を下りると、地下を切り取った壁に地上から光が射し込み、この光に導かれるように自然に地下の会堂に入ることとなる。
礼拝堂は、7m×11m×8mで3層吹き抜けの白い空間となっている。この空間に東側壁面からは、ガラスブロックを通して朝日が入り込み西側壁面を照らす。正面の南側壁面からは、高さ8mのところから、ハイサイドの窓ガラスを通して会堂内に光が投げ込まれ光の溢れる空間に設えている。堂内の壁面は押し出し成形セメント板を使ったが、各所からの光にひだを与え、この空間が、狭いながらも深みのあるデザインとなった。この空間に光が時々刻々変化を描くことによって、この会堂に時の流れと永遠性を与えられないかと考えた。
文章:田淵諭『光と祈りの礼拝堂』(教文館、2023)より