CONCEPT
設計のことば
新しい教会は、池上通りに大きくエントランスを設け、道行く誰もが教会を認識でき、教会員も求道者も入りやすい空間とした。また、幼稚園の園庭にもエントランスを設け、1階の広い通路はグループ会や祈りに使える空間とした。
礼拝堂は2階に設置。横長の集中式礼拝配置として、会衆が説教卓と聖餐卓を囲むように配置した。また、本格的な聖歌隊があるので、聖歌隊席を講壇に上げ、会衆と共に説教卓と聖餐卓を囲み賛美が溢れる配置とした。天井のハイサイドライトからは天の光を導くが、この天井形式は音響面からも良い響きを創出することとなった。
更に、バプテスト教会の特徴を活かすため、毎週の礼拝で十字架と洗礼槽(バプテストリー)を意識できるように考えた。光のスリットで形作られる十字架と洗礼槽は共に講壇の背後に設けた。このバプテストリーには、トップライトから聖なる光がいつも降り注ぐ。
東の壁にあるステンドグラスからは、朝日が礼拝堂内に満ち、講壇周りに聖なる空間をつくる。夜にはこのステンドグラスの光が道行く人々を照らし、教会の存在を静かに伝えてくれる。この「聖霊と鳩」と題するステンドグラスは、ステンドグラス作家三浦啓子氏の遺作となった。
教会の外観は、白い鳩が羽を広げて道行く人々を招き入れる形を表そうとした。また、地域のシンボルとなるよう、前面の歩道橋から見た正面に十字架と鐘を設けた。
文章:田淵諭『光と祈りの礼拝堂』(教文館、2023)より