「聖霊と鳩」のステンドグラスが迎える礼拝堂

大井バプテスト教会

日本バプテスト連盟|東京都品川区|2021年竣工

大井バプテスト教会
STORY

設計のはじまり

神様とピンポイント

教会の要望・予算・附属幼稚園との関係・敷地に残す既存建築の法的な問題、これらの連立方程式を解くために、建築委員会に可能な限りのケーススタディを提案し、一つひとつ皆で議論を重ねてできた教会である。

途中コロナ禍に見舞われ、案決定の教会総会を開けないこともあった。補助金や工程の関係で、この日を逃すと着工が無理という時もあったが、神様がピンポイントで皆の背中を押し採決までこぎ着かせてくれた。

教会のたっての希望で、三浦啓子氏の手によって「聖霊と鳩」と名付けられたステンドグラスが設置され、毎週美しい聖なる光が礼拝堂にもたらされている。

CONCEPT

設計のことば

新しい教会は、池上通りに大きくエントランスを設け、道行く誰もが教会を認識でき、教会員も求道者も入りやすい空間とした。また、幼稚園の園庭にもエントランスを設け、1階の広い通路はグループ会や祈りに使える空間とした。

礼拝堂は2階に設置。横長の集中式礼拝配置として、会衆が説教卓と聖餐卓を囲むように配置した。また、本格的な聖歌隊があるので、聖歌隊席を講壇に上げ、会衆と共に説教卓と聖餐卓を囲み賛美が溢れる配置とした。天井のハイサイドライトからは天の光を導くが、この天井形式は音響面からも良い響きを創出することとなった。

更に、バプテスト教会の特徴を活かすため、毎週の礼拝で十字架と洗礼槽(バプテストリー)を意識できるように考えた。光のスリットで形作られる十字架と洗礼槽は共に講壇の背後に設けた。このバプテストリーには、トップライトから聖なる光がいつも降り注ぐ。

東の壁にあるステンドグラスからは、朝日が礼拝堂内に満ち、講壇周りに聖なる空間をつくる。夜にはこのステンドグラスの光が道行く人々を照らし、教会の存在を静かに伝えてくれる。この「聖霊と鳩」と題するステンドグラスは、ステンドグラス作家三浦啓子氏の遺作となった。

教会の外観は、白い鳩が羽を広げて道行く人々を招き入れる形を表そうとした。また、地域のシンボルとなるよう、前面の歩道橋から見た正面に十字架と鐘を設けた。

文章:田淵諭『光と祈りの礼拝堂』(教文館、2023)より

計画概要

所在地
東京都品川区
教派
日本バプテスト連盟
敷地面積
1,812㎡
建築面積
312㎡
延床面積
619㎡
構造
鉄骨造
階数
地上2階
設計期間
2017年10月–2020年7月
施工期間
2020年8月–2021年7月

設計クレジット

建築設計
大岡山建築設計研究所
担当
田淵諭/鈴木元彦/柳勉(Bricks。)
構造設計
小西泰孝建築構造設計
設備設計
テーテンス事務所
照明設計
内原智史デザイン事務所
音響設計
浪花千葉音響計画
聖壇家具設計
大岡山建築設計研究所
ステンドグラス
三浦啓子/JikuArtCreation
建築施工
松井建設
家具製作
セイアローズ/フォーグレイス