トップライトから降り注ぐ光

荻窪教会

日本キリスト教団|東京都杉並区|2003年竣工

荻窪教会
STORY

設計のはじまり

設計者の仕事

奥行きの長い敷地の教会である。建築は3階建てで、牧師館が最上階にある。牧師は24時間牧師であることが求められる職業なのだが、家族にとってはONとOFFが必要である。従って、できるだけ牧師館はその存在を感じさせず、しかし教会に寄り添うという相反する条件を満たす答えを、設計者は提案する必要がある。

一方、教会員にとっては礼拝堂の上に住戸が載ることを良しとしない(礼拝堂の上は天であってほしい)という考え方もある。

この2つの考え方に対して、納得できる説明とプランを提示することは、設計者の大切な仕事であると思う。

CONCEPT

設計のことば

この教会はJR荻窪駅から南へ徒歩10分ほど、閑静な住宅街の一角に位置している。敷地は間口12m、奥行き22mという南北に細長い土地である。都心の住宅地の多くに課せられた建物の高さ10m制限をクリアーさせた鉄筋コンクリート3階建ての教会建築である。

100人収容の礼拝堂を1階に設け、バリアフリーを配慮した。1階にはその他に日曜学校室と厨房、2階にはギャラリー、親子室・集会室・事務室、3階には牧師館と牧師室から構成されている。

建て替え前の教会堂の礼拝に何度か出席して、聖日の朝教会に集まる兄弟姉妹と共に、ゆっくりとした時の流れを感じる祈りの空間で豊かな礼拝の時を持ちたい、そのための礼拝空間をどのように設計したら良いのか。「神は光を見てよしとされた」と創世記にあるように、天から降る光の移ろいに主の働きを感じ、説教を通して主の御言葉を聞き、皆で声高らかに主の栄光を賛美できる礼拝堂を造りたいという思い

を強く持った。

荻窪教会では改革派系の教会にあって、礼拝堂のあるべき姿を、礼拝論の側から、神学論の側から、建築空間の側からといった各側面からの意見を聞きながら設計を進めた。牧師をはじめ建築委員会と設計事務所の話し合いの中では、多くの図面や模型で検討が加えられ、全員の共通認識をつくりながら進められた。

トップライトから降り注ぐ光が聖壇のライムストーンのひだに舞い、祈りと讃美歌に溢れる礼拝堂が主にあって活かされ、これから50年100年と確かな祈りの時を刻んでいくことを願っている。

文章:田淵諭『光と祈りの礼拝堂』(教文館、2023)より

計画概要

所在地
東京都杉並区
教派
日本キリスト教団
敷地面積
283㎡
建築面積
141㎡
延床面積
333㎡
構造
RC造+鉄骨造+木造
階数
地上3階
設計期間
2001年6月–2002年12月
施工期間
2003年1月–2003年11月

設計クレジット

建築設計
大岡山建築設計研究所
担当
田淵諭/江川竜平
構造設計
斎藤欽弥(団設計同人)
設備設計
小林好伸(鼎建築設備計画)
電気設備
中山明彦(アヴァンセ)
照明設計
大岡山建築設計研究所
音響設計
森本浪花音響計画
礼拝家具
大岡山建築設計研究所
建築施工
大明建設
家具製作
アダル