CONCEPT
設計のことば
この教会はJR荻窪駅から南へ徒歩10分ほど、閑静な住宅街の一角に位置している。敷地は間口12m、奥行き22mという南北に細長い土地である。都心の住宅地の多くに課せられた建物の高さ10m制限をクリアーさせた鉄筋コンクリート3階建ての教会建築である。
100人収容の礼拝堂を1階に設け、バリアフリーを配慮した。1階にはその他に日曜学校室と厨房、2階にはギャラリー、親子室・集会室・事務室、3階には牧師館と牧師室から構成されている。
建て替え前の教会堂の礼拝に何度か出席して、聖日の朝教会に集まる兄弟姉妹と共に、ゆっくりとした時の流れを感じる祈りの空間で豊かな礼拝の時を持ちたい、そのための礼拝空間をどのように設計したら良いのか。「神は光を見てよしとされた」と創世記にあるように、天から降る光の移ろいに主の働きを感じ、説教を通して主の御言葉を聞き、皆で声高らかに主の栄光を賛美できる礼拝堂を造りたいという思い
を強く持った。
荻窪教会では改革派系の教会にあって、礼拝堂のあるべき姿を、礼拝論の側から、神学論の側から、建築空間の側からといった各側面からの意見を聞きながら設計を進めた。牧師をはじめ建築委員会と設計事務所の話し合いの中では、多くの図面や模型で検討が加えられ、全員の共通認識をつくりながら進められた。
トップライトから降り注ぐ光が聖壇のライムストーンのひだに舞い、祈りと讃美歌に溢れる礼拝堂が主にあって活かされ、これから50年100年と確かな祈りの時を刻んでいくことを願っている。
文章:田淵諭『光と祈りの礼拝堂』(教文館、2023)より