CONCEPT
設計のことば
練馬区の閑静な住宅地に建つ、プロテスタント教会と牧師館と保育園の建て替えである。
1階に保育園、2階に教会堂と牧師館をまとめ、機能分離と動線の単純化を図った。計画は当初鉄筋コンクリート造2階建てで進めていたが、建設費の急激な高騰により耐火性能を有する木造で再設計することになった。
2階の会堂は、地域にここに教会があることを示すため道路に面して礼拝堂を配置し、東南の朝日及び光の採り入れを考慮して、円形の集中式礼拝堂とした。礼拝堂へは、緩やかな階段か車椅子対応型のエレベーターでアプローチすることができる。礼拝堂は三十二角形の平面形を持ち、屋根は聖書の天の幕屋をイメージして張弦梁構造とし礼拝堂に軽やかさと上昇感を持たせた。聖壇の上部にはトップライトを設け、聖壇の壁に掲げられたガラスの十字架と共に朝の礼拝において時の移ろいを感じられるようにした。
2階の牧師館は、教会や保育園からの視線を避けて道路から直接アプローチでき、使い勝手を考え2階のリビングからも教会と行き来することができる。
礼拝堂の下にある保育園の円形保育室には、礼拝堂を構造的に支えるために大黒柱が中央にあり、非日常的な空間とすることで、子どもたちの日々の保育にアクセントを加えている。
文章:田淵諭『光と祈りの礼拝堂』(教文館、2023)より