老朽化した教会堂を建て替えて一体化

小金井教会/小金井教会幼稚園(第2期)

日本キリスト教団|東京都小金井市|2012年竣工

小金井教会/小金井教会幼稚園
STORY

設計のはじまり

それから25年経った

教会の礼拝堂を全面改築してから、四半世紀が経っていた。皆に親しまれ大切に用いられてきた礼拝堂も、耐震診断の結果建て替え以外に方法がなく、惜しまれつつも建て替えが決まった。設計中は、何度も建築委員会や各グループでの話し合いが開かれ、日曜学校の子どもたちからは夢のような教会建築の絵が提案された。

夜遅く新しい案を思いつき、意見を伺いたいとM牧師に電話すると、いつも「今からでもよいよ」との返事。そんな訳で、よく深夜に教会におじゃました。そしてようやく、以前設計した玄関ホールと新たに設計した礼拝堂を25年の時を経てひとつに繋ぐこととなった。

数多く教会の設計をしてきたが、この礼拝堂に座っているといつでも初心に返ることができる。

CONCEPT

設計のことば

第2期工事では、既存の幼稚園舎を残しつつ、老朽化した教会堂を建て替えた。新会堂は、耐震性能の確保、高齢者にも優しいバリアフリー空間、開かれた伝道を可能にする施設であることが求められた。1986年に新築された幼稚園棟は今回部分改修のみを行い、教会棟と繋ぎ一体となった教会堂として完成した。

礼拝堂は11.5m×8.5m、高さ4.7–9mの横広の集中式空間で、約100席が収容できる。

日曜日は礼拝空間として、また、日曜学校の分級として使われる。平日は幼稚園の諸行事に使われるため、フレキシブルな利用が可能なよう工夫されている。礼拝堂東側の窓からは、栗林の間を通った朝日が射し込む。西側の窓からは三浦啓子氏作による十二使徒をイメージしたステンドグラスを通して、時間によって違う光が届く。窓は光の特徴を引き出すように形や機能が変えられ、その違いが礼拝堂に動きを与えている。

エントランスから礼拝堂聖壇までを一直線に結ぶ軸を設け、聖餐卓・聖書台・復活の十字架の掲げられた聖壇に向かう日常から聖なる空間に向かう「祈りの軸」とした。

聖餐卓は園庭に古くからあった欅の木から、十字架は旧礼拝堂の梁を加工して作り、教会の歴史を形に残した。2階ギャラリーには2014年オランダ製のパイプオルガンが設置された。

文章:田淵諭『光と祈りの礼拝堂』(教文館、2023)より

計画概要

所在地
東京都小金井市
教派
日本キリスト教団
敷地面積
725㎡
建築面積
321㎡
延床面積
534㎡
構造
RC造+鉄骨造
階数
地上2階
設計期間
2010年7月–2011年8月
施工期間
2011年9月–2012年5月

設計クレジット

建築設計
大岡山建築設計研究所
担当
田淵諭/国府田文雄
構造設計
斎藤欽弥(団設計同人)
設備設計
テーテンス事務所
照明設計
内原智史デザイン事務所
音響設計
森本浪花音響計画
家具設計
大岡山建築設計研究所
ステンドグラス
三浦啓子
建築施工
大明建設
家具製作
セイアローズ