光のモザイク

ひばりが丘教会

日本キリスト教団|東京都西東京市|1994年竣工

東側壁面の20の窓から、光がモザイクのように降り注ぐ
東側壁面の20の窓から、光がモザイクのように降り注ぐ撮影:輿水進
STORY

設計のはじまり

深夜の相談

私の設計した教会の中で、建築委員会の開催数の一番多かった教会ではないかと記憶している。建築委員会以外でも、深夜事務所の仕事を終えてから、Y牧師に教会で相談に乗っていただいた。牧師の仕事や教会について多くを学ばせていただいた楽しい記憶が残っている。

日中打ち合わせに伺うと、牧師自ら建て替え前のプレハブ教会の屋根に登って修理されていることもあった。いろいろな仕事を経験された牧師で、現場が始まってからも「視察だよ」と言って、よく現場の足場の上を軽々と動き回っていらした。人間味に溢れた牧師だった。

CONCEPT

設計のことば

武蔵野の面影を残す西東京市の、閑静な住宅地の一角に佇むプロテスタントの教会である。

この教会は、鉄筋コンクリート造3階建て(一部鉄骨造)で、110席を有する礼拝堂、ギャラリー、日曜学校室、キッチン、牧師室等から構成されている。南北に長い敷地に対して、礼拝堂空間を南に向けて配置し、礼拝の行われる朝の光に対する配慮をした配置計画となっている。

外部空間のゲートは、教会の入り口であり、敷地への入り口でもある。そして同時に、これは教会の近隣の方々に対して開かれた、イエス・キリストに触れる門でもある。

礼拝堂には、松集成材の梁を曲面状に架け、柔らかな広がりを持った空間となるよう工夫した。礼拝堂内の東側壁面には20個の形の異なる窓を設け、この窓を通し光がモザイクのように輝き礼拝堂内に降り注ぐ。日曜の朝には、日射しと影とが礼拝堂内を戯れる。忙しさに追われた現代人が、静かな祈りの時と変わらぬ確かな空間を感じることができれば、これ以上の幸せはない。ステンドグラスは洋画界の長老田中忠雄画伯の遺作となった。

夜ともなると、R屋根の軒裏のスリットから外に漏れる光が路地を照らし、道行く人々の足元を照らし始める。これら目に見える光だけでなく、この教会が広く地域の人々の心を照らし、その行く手を導く役を担ってゆくことを祈りたい。

文章:田淵諭『光と祈りの礼拝堂』(教文館、2023)より

SKETCH & MODEL

スケッチと模型

計画概要

所在地
東京都西東京市
教派
日本キリスト教団
敷地面積
338㎡
建築面積
149㎡
延床面積
335㎡
構造
RC造+木造
階数
地上3階
設計期間
1988年5月–1993年6月
施工期間
1993年7月–1994年3月

設計クレジット

建築設計
大岡山建築設計研究所
担当
田淵諭/柳勉
構造設計
TAK
設備設計
大明建設
電気設備
大明建設
照明設計
大岡山建築設計研究所
音響設計
大岡山建築設計研究所
家具設計
大岡山建築設計研究所
ステンドグラス
田中忠雄
建築施工
大明建設
家具製作
中村工芸所