設計のはじまり
SDGs
2013年、プロポーザルコンペの指名を受けた。この教会のコンペでは、設計技術提案書の提出を求められた。海に近い教会ということもあり、内容的には今後のエネルギーに対する考え方や、東海沖地震における津波時の安全性確保、避難先としての機能、塩害対策等今のSDGsに対応した見解が求められた。東日本大震災の直後でもあり、これらの問題を深く考えるきっかけを与えてくれた教会である。
聖壇上部から御言葉が舞い降りる礼拝堂

SDGs
2013年、プロポーザルコンペの指名を受けた。この教会のコンペでは、設計技術提案書の提出を求められた。海に近い教会ということもあり、内容的には今後のエネルギーに対する考え方や、東海沖地震における津波時の安全性確保、避難先としての機能、塩害対策等今のSDGsに対応した見解が求められた。東日本大震災の直後でもあり、これらの問題を深く考えるきっかけを与えてくれた教会である。
JR辻堂駅の南、閑静な住宅地に建つプロテスタント教会の建て替えである。旧教会堂は、白壁に庭のヒマラヤ杉が影を落とす印象的な建物で皆に愛されていた。しかし、耐震のため建て替えることになった。新しい計画を進めるに際して、礼拝堂・集会室・キッチン・牧師館をどう配置するかがプランニングの要となった。
敷地は奥行きのある変形地であったため動線を考慮し、道路からのアプローチは敷地中央に取り、そこにエントランスホールを置いた。このエントランスホールを挟む形で西側に礼拝堂を独立させ、東側に集会室・キッチンを配置した。そして、プライバシーを考慮し2階の牧師館へは敷地東端からのアプローチを設けた。
礼拝堂は、8.6m×8.6mの正方形の対角の角を聖壇とする集中式である。聖壇は東南に向けられ、この角には礼拝時に主の光を礼拝堂に注ぐガラス窓が開けられ、そこに主の復活を象徴する十字架が付けられている。この十字架は、夜には道行く人々に主の教会であることを伝える役目も担っている。
礼拝堂後部から前面に向けて天井を徐々に高くすることで、御言葉の語られる聖壇に天からの光が舞う空間をつくり、両壁面に数多く開けられた光窓からは時間と共にすがたかたちを変える主の光を導いている。屋根の先端には主の十字架を高く掲げ、住宅地に教会の存在を伝えている。
文章:田淵諭『光と祈りの礼拝堂』(教文館、2023)より

